歯科医師には、人を健康にしたいという想いが必要です。また、医療技術は日々進化していくので、つい先日まで治療不可能と言われていた症例でも、気づけば治療可能になっていたりします。そのような目まぐるしく変化する状況の中では、新しい技術を吸収することができる情報収集力や向上心も必須です。
さらに、患者を相手にする仕事なので、適切な治療をするためのコミュニケーション力も必須となります。患者が求めている治療を把握し、計画を立てていくことが求められます。歯医者嫌いの患者も多くいるので、できる限り抵抗を感じることなく治療をするように気を配らなければなりません。
そのほかにも、開業をし、自分の歯科医院を立ち上げる場合には、経営者としての力が求められます。開業後は、お客さんに知ってもらわなければならないので、営業してお金に関する知識も必要となります。しっかりと丁寧に治療し、信頼を得ることも重要です。
歯科医師になるためには、大学の歯学部もしくは歯科大学を卒業し、国家試験を受けて歯科医師免許を取得する必要があります。大学は、6年かけて歯科医師として必要な知識と技術を学びます。学費に関しては、国公立大学は6年で約350万円、私立大学は約1800万円~3000万円かかります。歯科医師国家試験の合格基準は、今後も上がっていくので、積極的に勉強しなければ歯科医師にはなることができません。高い学費を払うので、後悔しないように大学を選ばなければなりません。大学を選ぶ場合は、学費が安く、歯科医師国家試験の合格率が高い国公立大学を選びましょう。
歯科医師として働くためには、歯科医師免許が必要です。歯科医師国家試験は筆記試験のみであり、年1回実施されます。歯科医師は数が多く、供給過剰傾向にあるため、歯科医師の数を減らすために、厚生労働省と文部科学省の方針として、歯科医師国家試験の合格基準が引き上げられています。以前は約80%の合格率でしたが、2016年度には約63%に低下しました。合格率は今後も低下傾向にあり、受験回数の制限も取り入れるべきという意見もあります。確実に歯科医師になるためには、大学在学中にしっかり歯科医師国家試験に向けて勉強し、新卒時に合格することが大切です。